血液内科は急性白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの造血器悪性腫瘍や再生不良性貧血・特発性血小板減少性紫斑病などの血液難病を中心とした疾患を扱う診療科です。
血液内科では急性白血病のように進行が早く、緊急性の高い疾患が多いのですが、血液内科専門医は非常に少ないのです。
埼玉県700万人の中で常勤の血液内科医がいる施設は少なく、複数の常勤医がおり血液内科診療の中心となっている病院(研修施設)が10病院になります。
埼玉県南西部に所沢、川越といった35万人前後の都市に加え、人口10万人以上の新座、狭山、入間、朝霞、戸田、ふじみ野、富士見、坂戸市などがあります。さらに10万人近くの都市として和光市、志木市、蕨市などもあり、人口のカバーは200 万人をこえます。この人口200万人の埼玉県南西部ですが、元々は2つの大学病院(防衛医科大学校病院・埼玉医大総合医療センター)に患者が集中すると言う状況でした。
TMGあさか医療センター 血液内科はその状況を改善するために「第3の血液専門医の集まる病院」として活動を開始し、朝霞を中心とした70万人の二次医療圏だけではなく、隣接する所沢・川越市、西東京方面、さらに遠方(飯能市、入間市、東松山、さいたま市南部など)からも患者の受け入れをおこなっています。当院は現在、常勤医師3名、非常勤医師1名の4 名体制で診療をおこなっています。4名全員が血液内科専門医を取得しております。日本血液学会が認定する日本血液学会認定専門研修認定施設であり、無菌室8床と無菌管理用のアイソレーター4台を用いて同時に12名まで無菌管理を行うことが可能です。
当科では急性白血病・悪性リンパ腫など20-30名の血液疾患の患者の入院診療をおこなっております。ただし、造血幹細胞移植や免疫細胞療法など「細胞療法」に関しては輸血部がまだなく、防衛医科大学校病院などの施設(ほか、埼玉医大総合医療センター、虎の門病院、都立駒込病院、日本赤十字医療センターと実績あり)と連携し、必要な際に患者の紹介をおこなっております。外来では4年目になりますが、すでに700名前後の血液疾患の患者さんの外来診療(外来化学療法・経過観察)をおこなっております。
入院患者の診療は週に1回「医師」「看護師」「薬剤師」「リハビリ理学療法士」の合同カンファレンスを行い、診療状況、目標、問題点の共有を行っております。リハビリ体制が血液内科の病床としてはかなり手厚く、7-8名の理学療法士が患者のリハビリをおこなっております。
臨床研究では血液学会の疾患登録事業や東日本臨床血液研究会(J-CHARGE)の参加施設の1つとして活動しております。
当院は部長の方針もあり、「標準治療」を高度なレベルで実施することを診療目標としております。また、高齢者の受け入れも積極的におこなっており、患者の全身状態(ADL)に合わせて治療をしております。他の病院で対応ができない患者を積極的に対応し、仮に治療の継続ができない状況でも「患者や家族の人生に道筋」ができるようにしたいと考えております。
将来的には血液内科の規模をさらに拡大し、造血幹細胞移植を含めた「細胞治療」ができるようにすることと、さまざまな病院の血液内科医が研修にくるような施設にしたいと考えております。
新設の血液内科ではありますが、4名の血液専門医を有する民間病院は埼玉県内でも当院だけであり、医療レベルも高度な治療ができる体制となっております。
TMGあさか医療センター 血液内科をよろしくお願いいたします。