下肢静脈瘤の血管内レーザー焼灼術(EVLA)
当院では、保険適用の血管内レーザー治療(波長1470nm)を実施しています。
足のすね、ふとももの部分に血管がボコボコした瘤(コブ)はありませんか?
そして、むくみ・だるさ・足がつる、などの症状はありませんか?
もしかしたら下肢静脈瘤かも知れません。
どんな人に多いのか?
下肢静脈瘤は女性に多く、長時間の立ち仕事、肥満、妊娠などが危険因子と言われています。
原因・症状について
正常であれば静脈の血液は足から心臓へ還ってゆくのですが、足の表在静脈(大伏在静脈・小伏在静脈)が弁不全のために逆流して血液が心臓から足の方向へ下がってしまうために起こります。ちなみに逆流するのは表在静脈だけであり、深部静脈では起こりません。
足に血液が溜まったり、静脈の圧力が増すと炎症が起こったりして、様々な症状がでてきます。むくみ、だるさ、夜間や朝方に足がつる、痛み(疼痛)、足の皮膚炎・色素沈着、皮膚潰瘍などです。
治療について
最新の静脈瘤治療は、レーザーまたは高周波(ラジオ波)を用いた「血管内焼灼術」です。
レーザーを用いたものは、血管内レーザー焼灼術(EVLA;endovenous laser ablation)といいます。
従来の980nmレーザーは2011年に保険適用され、さらに2014年には最新の1470nmレーザーと、高周波治療が厚生労働省に認可され保険適用に加わりました。
皮膚を切開することなく、膝の内側や膝うらからファイバーカテーテルを挿入して、逆流する表在静脈にレーザーなどを当てて血液の逆流を防止します。
治療の成功率はEVLAが最も高く、95%くらいと言われています(van den Bos R et al: J Vasc Surg 2008)。
血管内レーザー焼灼術には保険が適用され、1泊2日の場合で片側 約7万円、両側 約11万円です。※3割負担の場合
レーザー治療の適応について
以下の4つ、すべてに当てはまる患者さんにレーザー治療を行います。
- 症状がある
- 表在静脈の拡張がある
- 表在静脈の逆流がある
- 治療の希望がある
レーザー治療の良い点
- 手術部位に傷跡がほとんど残りません
- その日に歩くことができます
- 述語の痛みや皮下出血が少ないです
術後の安静について
レーザー治療の直後から歩行でき、翌日から入浴可能です。
ただし激しいスポーツや長時間の正座・あぐらなどは、術後2~4週間くらい避けたほうが良いでしょう。
合併症について
特に注意するものとして、レーザー焼灼後におこる静脈内の血栓症(EHIT;endovenous heat-induced thrombosis)、深部静脈血栓症(DVT;deep vein thrombosis)があります。
0.2~数%程度起こるとの報告があり、術後72時間以内および、1~3ヶ月以内の超音波検査が推奨されます。異常があった場合は、必要により抗凝固療法が行われる場合があります。
最近の治療では焼灼部位に3cm程度のマージンをとるため、これらの合併症は極めて少ない印象です。
その他、出血斑、疼痛、表在性静脈炎、皮膚熱傷、神経障害などの可能性があります。
下肢静脈瘤の血管内レーザー治療は保険が適用され、有効率90%以上で治ります。
症状にお悩みの方は、専門家にご相談ください。
ご予約方法
専門外来 | 形成外科 扇医師 / 外科 飯田医師 |
受診日 | 水曜、木曜午後 |
電話番号 | 0570-07-2055 (ナビダイヤル1番) / 完全予約制 |
予約時間 15:00~17:00 ※予約できる時間が決まっています。 |