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病院指標 令和5年度

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

目次

病院指標

1.年齢階級別退院患者数

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年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数1771843284819381,1811,2282,3812,206542

令和5年度退院患者様の人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。                                                                          令和5年度の全退院患者数は9,646名になります。昨年度と同様に、最も多い年代は70歳台で2,381名、70歳以上で全体の約53%を占めております。0歳~も177名と、幅広い年代構成となっております。少子高齢化社会が進んでいる影響により、今後も入院される患者様の年齢層が上がっていくことが予想されます。当院は急性期病院として入院加療を必要とする多くの患者様に医療を提供できるように、平成30年1月に新築移転(増床)し、現在454床になっております。近隣の医療機関からの紹介件数も年々増加しており、地域住民、地域医療機関と密着した医療の提供に努めております。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
060100xx01xxxx小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術478名2.09日2.61日0.00%66.79歳
060340xx03x00x胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし75名10.11日8.75日2.67%75.12歳
10007xxxxxx1xx2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)   手術・処置等2:1あり62名15.71日13.99日1.61%62.40歳
110310xx99xxxx腎臓又は尿路の感染症 手術なし56名14.79日13.52日3.57%78.25歳
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし53名30.32日20.60日13.21%83.87歳

一番多い疾患は『小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)  内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等』であり、いわゆるポリープです。ほとんどが一泊二日で退院できるため、近隣のクリニックからの紹介も多くなっております。二番目の『胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等: 2なし 副傷病: なし』は胆管の疾患で、狭窄した部位に内視鏡を用いてステントと呼ばれる筒状の管を留置し、胆汁の流れを良くすることで黄疸等の症状を改善します。三番目は『2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2: 1あり 』で、糖尿病に対するインスリン加療です。2週間程度の教育入院も行っており、主傷病だけでなく、併存症としても多い疾患です。四番目は『腎臓又は尿路の感染症 手術なし』で、高齢患者の受診が増加しておりますが、尿路感染症の件数は昨年度の60%程度に減少しています。五番目は『誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2: なし』で、高齢患者の受診が増加しており、施設等からの紹介も多数あります。

外科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
060160x001xxxx鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等126名6.64日4.55日1.59%68.21歳
060035xx99x6xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり87名3.38日4.42日0.00%68.99歳
060335xx02000x胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし86名6.58日6.87日0.00%56.67歳
060040xx99x6xx直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり71名3.00日4.34日0.00%67.48歳
090010xx010xxx乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1:なし69名11.25日9.88日0.00%67.09歳

外科で一番多い疾患は、『鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等』です。一部の臓器や組織が本来の場所から脱出してしまった状態を「ヘルニア」といい、鼠径部に起こったものを鼠径ヘルニアと呼びます。弱くなった腹壁を補強し、元に戻す手術を行います。                                                                                                                                      二番目と四番目に多い疾患は、それぞれ『結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり』、『直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり』です。結腸癌・直腸癌に対して、分子標的治療薬「アバスチン」を用いた化学療法です。                                                                                                                               三番目に多い疾患は、『胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし』です。胆嚢炎など、腹腔鏡下で胆嚢を摘出します。                           
五番目に多い疾患は、『乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1:なし』です。当院は日曜日の乳がん検診を、スタッフ全員が女性で実施しております。検診にて発見された際は、当院にて手術が出来る体制を整えております。
ほか、胃癌、肝臓癌、肺癌等の悪性疾患に関しても手術療法を中心とした治療を行っております。さらに、手術療法以外で化学療法などの集学的な治療も行っております。

整形外科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
160800xx01xxxx股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等243名26.91日25.50日54.32%81.71歳
070343xx01x0xx脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし152名20.26日19.94日9.87%73.16歳
070230xx01xxxx膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等138名28.91日21.96日9.42%75.26歳
070343xx99x1xxx脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2:1あり125名2.00日2.59日0.00%73.37歳
160690xx02xxxx胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 経皮的椎体形成術91名20.08日19.32日16.48%82.52歳

整形外科で一番多い疾患は『股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等』で主に大腿骨近位部骨折に対する手術です。高齢化社会を反映し、平均年齢は80歳以上となっております。当院で行った骨折手術の約30%にあたります。                                                                                                                                                 二番目に多い疾患は『脊柱管狭窄  脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術 前方椎体固定等 』で、脊柱管狭窄症に対して除圧や固定を行う手術です。三番目に多い疾患が、変性疾患の『膝関節症 人工関節再置換術等 』で、変形性膝関節症に対し人工関節に置き換える手術です。四番目に多い疾患が、『脊柱管狭窄  手術なし 手術・処置等2: 1あり』で、脊柱管狭窄症に対して行う脊髄腔造影剤使用撮影の検査入院(ミエログラフィー)です。五番目に多い疾患が、『胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)経皮的椎体形成術』で、胸椎や腰椎の骨折に対し、BKP(経皮的バルーン椎体形成術)を行います。胸腰椎骨折に対し十分な保存療法を行い改善が無い場合や骨癒合が期待できない場合に、BKP(経皮的バルーン椎体形成術)や、VBS(経皮的ステント留置型椎体形成術)、脊椎固定術等の手術療法を行っております。その他、スポーツ外傷・障害など幅広い整形外科疾患に対応しております。MRIやCTを用いて各疾患の積極的診断を行い、保存的加療または手術的加療の判断をしております。高齢者の骨折術後経過の特徴は、体力の低下や疼痛により術直後からのリハビリが出来ない傾向にある事です。当院では近隣施設とも密に連携を図り、術後3週間前後を目安に転院調整を行っております。また比較的若い方で、1ヵ月前後にリハビリで退院可能な場合は、当院から直接自宅へ退院することも少なくありません。
当院は人工関節センター、脊椎内視鏡センターを設置し、より専門性の高い医療の提供に努めております。人工関節センターでは変形性膝関節症の方を対象に、再生医療外来を開設し、PRP(Platelet Rich Plasma)治療を行っております。PRP治療=多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を、実施部位に注射する再生医療です。PRP治療は、その名の通り、血小板が豊富に含まれた成分を用いて、血小板の機能を活用した治療法です。血小板には、血管が損傷したとき、固まって出血を止める働きがあります。また、種々の成長因子を放出する働きもあります。PRP治療には、血小板から放出される成長因子等の成分により、傷んだ組織の修復や関節炎の症状軽減を促進させる効果が期待されます。詳細は、当ホームページ内(診療のご案内⇒整形外科⇒『再生医療(PRP治療)』)にてご確認下さい。

形成外科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
050180xx02xxxx静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等38名2.00日2.61日0.00%69.92歳
020230xx97x0xx眼瞼下垂 手術眼瞼下垂 手術あり 手術処置等2 なし18名3.44日2.82日0.00%73.83歳
070010xx970xxx骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術処置等1 なし10名3.50日4.28日0.00%47.80歳
160200xx02000x顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術処置等1なし 手術処置等2なし 副傷病なし4.63日
080007xx010xxx皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置等1 なし3.93日

形成外科では様々な症例に対する手術を行っております。代表的なものは(1)下肢静脈瘤(足の血管がボコボコ、重い、だるい、つる)に対する血管内レーザー焼灼術、(2)眼瞼下垂症(まぶたが下がる)に対する手術、(3)や(5)のような軟部腫瘍、皮膚・皮下腫瘍(粉瘤や脂肪腫など)、皮膚がんなどの手術、(4)外傷(挫創の縫合)、顔面骨骨折の手術などです。
また、美容外来ではシミ・しわの治療(レーザー・内服・塗り薬)や、美容外科手術なども行っています。 
※患者数10未満の場合は-(ハイフン)で表示しております。 

脳神経外科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
010060x 2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2107名16.05日15.70日30.84%70.43歳
010230xx99x4xxてんかん 手術なし 手術処置等24あり98名10.87日6.03日8.16%41.28歳
010040x099000x非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし63名21.84日19.09日66.67%67.40歳
010230xx99x00xてんかん 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし47名11.26日7.19日12.77%52.19歳
160100xx97x00x頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし42名8.40日9.88日11.91%77.64歳

脳神経外科で一番多い疾患は、『脳梗塞 手術・処置等2-4あり』です。一次脳卒中センターとして、24時間365日体制で血栓回収術、tPA静注療法を行っています。
二番目に多い疾患は、『てんかん』です。当院はてんかんセンターを設置しております。てんかんセンターについては成人てんかん専門外来を週6日行い、小児てんかんやトランジションにも対応しています。治療は外来での薬剤治療からビデオ脳波による診断、頭蓋内電極留置を含めたてんかん外科治療、ケトン食療法に至るまで行っております。
てんかん発作やてんかん重積の急性期の管理については、neuro ICUで持続脳波モニタリングと綿密な全身管理を行っており、治療困難な症例なども含め、近隣からの紹介を迅速かつ積極的に受け入れ、急性期から慢性期まですべてのフェーズに対応しております。
当センターはてんかんのみならず、脳卒中、脳腫瘍、三叉神経痛などの脳神経外科疾患、頭部外傷、脳炎などの神経救急疾患・神経集中治療を要する疾患にも対応し、夜間・時間外の救急も積極的に受け入れを行っております。入院診療については、ICU, SCU, 一般病棟に至るまで、多科、多職種とのチーム医療を生かし、患者様にとってベストな治療を目指しております。
神経内科外来を充実させ、より幅広い疾患に対応することが可能となっております。SPECT撮影できる条件を生かしつつ、物忘れ外来も週2日行っております。                                                                                                                                               
地域との連携を大事にしながら、よりよい医療を目指してまいります。

小児外科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
140590xx97xxxx停留精巣 手術あり32名1.16日2.97日0.00%2.70歳
060160x101xxxx鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等31名1.61日2.75日0.00%4.00歳
11022xxx01xxxx男性生殖器疾患21名2.10日3.69日0.00%6.93歳
060150xx03xxxx虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等5.29日
060170xx02xx0x閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 副傷病:なし6.86日

小児外科で一番多い疾患は、『停留精巣 手術あり』で、停留精巣に対する手術です。停留精巣とは陰嚢の中に精巣が入っていない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患です。精巣が触知出来るタイプは、鼠径部に数cmの横の切開を行い、精巣に収容し固定します。乳幼児から中学生までの患者様の個々の状況に合わせて手術方法(腹腔鏡など)を用意し、ご家族皆さまが納得しうる最善の治療を提供できるよう努めています。二番目に多い疾患は、『鼠径ヘルニア(15歳未満)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等』で、鼠径ヘルニアに対する手術です。小児の鼠径ヘルニアは立位、啼泣時、排尿・排便時など腹圧上昇時に膨隆、腫瘤が出現する疾患です。成人と原因が異なり、胎児期に形成される腹膜鞘状突起の閉鎖不全が原因とされます。自然治癒することは少なく、また乳児期は血流障害をおこすことが多いため、比較的早期に手術が行われます。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン) 

眼科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
020110xx97xxx0白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等片眼295名2.57日2.54日0.34%75.63歳
020150xx97xxxx斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり3.08日
020230xx97x0xx眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2:なし2.82日
020320xx97xxxx眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり3.17日
020110xx97xxx1白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:両眼4.46日

眼科の入院で多い疾患は、『白内障』です。白内障は水晶体が灰白色や茶褐色ににごり、物がかすんだりぼやけて見えたりするようになります。進行した白内障に対しては、手術を行ない、視力を回復させます。『斜視』は左右の目の視線が合わない状態を言います。『眼瞼下垂』は、まぶたが下がってきて見えにくくなる病気です。眼をあげる筋肉を短縮してまぶたをあげます。平均在院日数は全国と比べて大きな差異はありません。また、平均年齢も前年度と比べて大きな変化はありません。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

耳鼻咽f喉科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
030240xx99xxxx扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし82名5.72日5.51日0.00%32.71歳
030350xxxxxxxx慢性副鼻腔炎66名8.92日6.02日0.00%52.03歳
030250xx991xxx睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1:あり63名2.00日2.03日0.00%54.19歳
030400xx99xxxx前庭機能障害 手術なし51名5.06日4.73日1.96%59.98歳
030428xxxxxxxx突発性難聴48名8.55日8.55日0.00%58.00歳

耳鼻咽喉科で一番多い疾患は『扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし』で、のどの痛みで食事が摂れなくなったり、日常生活に支障が出たりしている方が入院されています。二番目の『慢性副鼻腔炎』は当院で行っている<口蓋扁桃手術(摘出)>や<内視鏡下鼻・副鼻腔手術>といった手術の対象疾患です。三番目の『睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1:あり』は、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome=SAS)に対する検査である終夜睡眠ポリグラフィーです。SASは眠っている間に無呼吸状態や低呼吸状態を何度も繰り返して良質な睡眠がとれず、日中に眠気やだるさなど様々な合併症を引き起こす病気です。四番目に多い『前庭機能障害 手術なし』は、いわゆる<めまい症>のことで、症状が強く日常生活が困難な方が入院されます。五番目の『突発性難聴』は突然発症する難聴を特徴とする病気ですが、当院では一般的な内服・点滴治療に加えて<高気圧酸素療法>を導入することで、治療効果の向上を実現しています。

泌尿器科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
110080xx991xxx前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり94名2.04日2.44日0.00%69.78歳
110080xx01xxxx前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等45名10.67日11.19日0.00%70.69歳
110070xx03x20x膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2:2あり 副傷病:なし28名7.14日6.59日0.00%69.68歳
11012xxx02xx0x上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病:なし20名2.60日5.22日0.00%59.00歳
110060xx99x20x腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:2あり 副傷病:なし10名2.80日9.37日0.00%63.50歳

泌尿器科では、前立腺癌、腎癌、膀胱癌をはじめとする尿路上皮癌に対して、ロボット支援手術を用いた低侵襲医療を提供しています。また、前立腺肥大症や尿路結石に対しては、最新のレーザーを使用した内視鏡手術を行い、大学病院と同等の高水準の医療を提供しています。特に骨盤内悪性疾患に対するロボット支援手術では、癌の制御はもちろんのこと、患者様が気にされる排尿機能や性機能の維持にも配慮し、Shared Decision Making(共同意思決定)を重視した治療方針を適用しています。
当科では、前立腺癌に対するロボット支援下手術は通常10日程度の入院、尿路結石のレーザー内視鏡手術は1泊2日の短期入院で実施しています。これにより、患者様の負担を軽減しながら、高度な医療技術を提供しています。私たちは、患者様一人ひとりに最適な治療を提供し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。

婦人科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
120060xx02xxxx子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等197名5.04日5.93日0.00%42.38歳
120070xx02xxxx卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等157名4.99日6.00日0.00%42.85歳
120120xx97xxxx卵巣・卵管・広間膜の非炎症性疾患 手術あり156名5.08日6.07日0.00%46.13歳
120110xx02xxxx子宮・子宮附属器の炎症性疾患 骨盤腹膜外膿瘍切開排膿術等115名5.03日9.18日0.00%41.43歳
120090xx97xxxx生殖器脱出症 手術あり47名4.34日7.89日0.00%72.19歳

当院は婦人科腹腔鏡センターを設置しており、婦人科腹腔鏡手術において最も難易度が高いとされる腹腔鏡下子宮全摘術が当院で最もスタンダードかつ件数の多い手術となっております。良性手術全例を腹腔鏡下にて施行しており、癒着が強く敬遠されがちな子宮内膜症症例も同様に実施しております。また、当院では平均在院日数が全国平均よりも短く、早期の社会復帰やADL低下予防に努めております。

循環器内科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
050130xx9900x0心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 重症度:他の病院・診療所の病棟からの転院以外43名17.09日17.38日11.63%85.56歳
050130xx9902xx心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:2あり40名20.13日23.74日22.50%84.58歳
050130xx9912xx心不全 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:2あり29名26.66日21.43日24.14%73.28歳
050050xx0200xx狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1,2あり 手術・処置等2:なし25名5.40日4.26日4.00%65.16歳
050130xx97020x心不全 その他の手術あり 手術・処置等1:なし、1あり 手術・処置等2:2あり 副傷病:なし20名34.10日34.98日30.00%78.50歳

循環器内科で一番症例の多い『心不全』とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。入院加療のほか薬物療法、栄養指導、心臓リハビリテーションなどの二次予防も行っております。『心不全 手術・処置等2:2あり』は、放射性医薬品というお薬を体内に投薬して、心臓の筋肉への血液供給が十分かを調べる検査や、体内に高濃度の栄養輸液を行い体に必要な栄養素を補給する中心静脈栄養を実施した症例です。『心不全 その他の手術あり』は、冠動脈ステントやペースメーカー移植術、輸血等を実施した症例になります。
『狭心症、虚血性心疾患』とは、心臓の筋肉に必要な栄養や酸素を運ぶ血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりして、心臓に十分な血液が送られなくなることによって胸の痛みなどが生じる状態をいいます。

小児科

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DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
080270xxxx1xxx食物アレルギー 手術・処置等1: あり13名1.00日2.12日0.00%3.31歳
060380xxxxx0xxウイルス性腸炎 手術・処置等2: なし5.64日

小児科で一番多い症例は、『食物アレルギー』の診断を目的とした入院です。近年、食物アレルギーが増加傾向にあり、食物負荷試験を日帰りで行い、引き続き外来にて食物アレルギーの除去食や栄養面でのアドバイスを行っております。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発再発病期分類
基準(※)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌531337291318
大腸癌3927321457310329
乳癌16351118
肺癌1318
肝癌161118

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

現在日本で最も罹患率の高い5つのがん(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の病期(stage)ごとの症例数を集計したものです。
手術(腹腔鏡、内視鏡、他)、抗がん剤治療のほか、緩和ケア病棟も有しチーム医療を行っています。5大がんの患者数は大腸癌が最も多く、約63%を占めております。次いで胃癌、乳癌、肝癌、肺癌となります。癌の診断検査目的の場合、入院中に進行度が確定せずStage不明となります。※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数平均在院日数平均年齢
軽症15人11.93日51.20歳
中等症138人22.67日79.03歳
重症37人26.11日83.03歳
超重症15人18.53日83.00歳
不明

普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎を市中肺炎といいます。入院時の各状況、年齢(Age)、脱水(Dehydration)、呼吸(Respiration)、意識(Orientation)、血圧(Pressure)の5つについて点数化(A-DROP)し、重症度判定をしております。高齢化するほど重症化する傾向があり、入院期間も長期化してきます。早期の離床を目指したリハビリを実施し、合併症や重症化に対する予防を心がけております。
昨年度と比較しますと、軽症の平均在院日数は約7日程延長しておりますが、超重度の日数については約30日程短縮しております。平均年齢については超重度がやや上昇傾向にあるものの、その他はどのレベルも横ばいとなっております。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン) 

5.脳梗塞の患者数等

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発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
3日以内327人22.64日74.78歳38.84%
その他24人27.08日72.04歳50.00%

当院は集中治療室(ICU)10床、脳卒中ケアユニット(8床)、CT・3テスラMRI(2台)、SPECT、アンギオ装置(2台)を有し、24時間365日体制で血栓回収術、血栓溶解療法(t-PA)に対応しております。夜間は脳神経外科の当直医師、神経集中治療部のICU当直医師を配置し、並列で緊急対応できる体制を整えております。急性期は病態に応じてSCUまたはICUにて全身管理を含む治療を行います。二次予防も非常に重要であり、必要であれば、循環器と連携し経食道心エコーを行い、正確な病型診断に基づいた抗血栓薬の選択を行います。全身合併症の評価、心疾患のスクリーニングを行い、必要に応じ循環器内科と連携し冠動脈CTなどの評価も行います。リハビリや看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーとの回診で情報を共有することで、患者様の社会復帰や生活復帰を目指して効率よく治療が運ぶようにしています。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)452名0.07日1.17日0.00%67.42歳
K688内視鏡的胆道ステント留置術72名2.79日17.81日6.95%77.58歳
K6532内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術43名0.12日6.05日2.33%75.86歳
K7212内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)42名0.14日1.40日0.00%62.71歳
K721-4早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術35名2.06日3.03日0.00%69.00歳

一番多い手術は『内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)』で、四番目の『内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)』も同様の手術となり、小さなポリープを切除するものです。経過が良ければどちらも短期間で退院が可能となります。二番目に多い手術は『内視鏡的胆道ステント留置術』となり、主に胆管炎に対する手術で胆管・膵管の閉塞部位にステントというストロー状の短い管を入れて、胆汁や膵液の流れを良くする治療です。三番目に多い手術は『内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術』で、がんのある部分の粘膜下層までを剥離し、がんを一括切除する治療法です。五番目の『早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術』は、大腸がんに対し内視鏡を用いて粘膜下層までを剥離し、一括切除する治療法です。

外科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K672-2腹腔鏡下胆嚢摘出術90名0.86日4.99日0.00%57.09歳
K634腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)77名1.05日4.00日0.00%66.44歳
K6335ヘルニア手術 鼠径ヘルニア53名0.85日5.72日3.77%69.98歳
K719-3腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術43名2.47日11.77日0.00%69.60歳
K4763乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)39名0.97日9.15日0.00%67.33歳

外科で一番多い手術は、『腹腔鏡下胆嚢摘出術』、二番目に多い手術は、『腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)』、四番目に多い手術は『腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術』と、腹腔鏡を用いた手術に力を入れております。腹腔鏡手術は体に数ヶ所小さな穴をあけ、炭酸ガスを注入してお腹を膨らませ、その空間に腹腔鏡を挿入して行う手術手技のことです。 「きずが小さく痛みが少ない」、「開腹手術と比較して回復が早い」、「術後の癒着が少ない」など、低侵襲手術として大きなメリットがあります。
三番目の『ヘルニア手術 鼠径ヘルニア』は、患者様の状態や希望に応じ、腹腔鏡を用いず、従来の手術法で行った症例です。
五番目の『乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)』は、乳がんに対する手術です。乳がんの手術は、腫瘍をその周囲の正常乳腺を含めて切除する「部分切除」と、全乳房を切除する「全摘術」に分類されます。また、乳がんは進行とともに腋(わき)の下のリンパ節に転移することが知られています。術前の検査でがん細胞の転移が認められた方は、病巣の切除とともに腋の下のリンパ節をまわりの脂肪組織ごと切除します(腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい))。

整形外科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K0821人工関節置換術(膝、股)209名1.91日24.44日11.01%74.03歳
K0461骨折観血的手術(大腿、上腕、肩甲骨)180名3.97日18.81日38.33%76.07歳
K0811人工骨頭挿入術(股、肩)120名5.58日22.13日57.50%82.08歳
K1422脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定)119名5.25日22.55日21.85%73.74歳
K142-4BKP(経皮的椎体形成術)98名5.49日13.86日18.37%82.59歳

整形外科で一番多い手術は、『人工関節置換術(膝、股)』です。変形性関節症、慢性関節リウマチ、外傷などのため関節が重度に破壊され、股関節の痛みや歩行障害などが生じた場合は壊れた関節を人工材料の関節に置き換える手術を行います。当院は治療を速やかに行えるように人工関節センターを設置しております。人工関節手術を希望される方で、特に運動能力の低下が著しく介護が必要になった80歳以上の高齢の患者様には、十分なリハビリを行い日常生活の自立を治療目標としております。近隣在住の方が多く、リハビリ病院への転院を希望されない方も少なくないため、入院日数はやや長くなっております。                                                                                                                                 骨折に対する手術は年間700件を超えており、上位三番のうちの二つを占め二番目の『骨折観血的手術(大腿、上腕、肩甲骨)』、三番目の『人工骨頭挿入術(股、肩)』がその代表です。受傷2日以内の手術を目標としておりますが、入院時に体調が悪い高齢者も多く状態を整えてから手術する方もいるため術前の日数がやや長くなっています。
四番目に多い手術は、『脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定)』で脊柱管狭窄症に対する手術です。脊椎には脊柱管と呼ばれる脳から続く脊髄神経を通す管があります。脊椎の老化や炎症・外傷などで椎間板が傷んだり、脊椎自体の変形や靭帯の肥厚や骨化のために脊柱管が狭窄し神経が圧迫され下肢痛やしびれを起こして歩けなくなることがあります。この状態を脊柱管狭窄症といいます。手術では脊柱管後面の椎弓という骨と黄色靭帯を切除し、神経を圧迫している椎間板ヘルニアがある場合ヘルニアを摘出して神経の圧迫を取り除きます。五番目のBKP(経皮的椎体形成術)は、脊椎圧迫骨折に対する手術です。骨折によりつぶれた背骨に、背中の皮膚から細い針を挿入し、圧迫骨折した椎体の中でバルーン(風船)を膨らませて、つぶれた骨の形を出来る限り元に戻した後、医療用の骨セメントを詰めます。当院は脊髄内視鏡センターを設置し専門性の高い医療の提供に努めています。脊椎手術は年間400件以上行っており、脊椎指導医2名で治療成績の向上を図ると共に予約から治療までの時間短縮を目指し治療に当たっています。

形成外科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K617-4下肢静脈瘤血管内焼灼術38名0.00日1.00日0.00%69.92歳
K2191眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)17名0.00日2.71日0.00%74.53歳
K333鼻骨骨折整復固定術
K0051皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部/長径2cm未満)
K0063皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外/長径6cm以上)

当院では、下肢静脈瘤に対して皮膚を切開することなく、最新の1470nmレーザー治療を1泊入院で施行しております。
眼瞼下垂症では、主に眼瞼挙筋前転法(挙筋腱膜を瞼板に再固定し、まぶたを上げる力を取り戻す手術)を行っています。術後の腫れを考慮して数日程度の入院をお勧めしております。鼻骨骨折整復固定術は、術後の骨折の後戻りを予防するために、鼻骨を切開して内固定と外固定を行います。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン)で表示しております。 

脳神経外科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K164-2慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術52名1.15日15.98日30.77%82.04歳
K178-4経皮的脳血栓回収術29名0.03日30.14日51.72%77.69歳
K1643頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの18名0.22日41.50日100.00%61.72歳
K1781脳血管内手術 1箇所18名1.28日19.50日5.56%59.17歳
K1771脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所16名0.81日33.25日43.75%61.75歳

脳外科で一番多い手術は、『慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術』です。慢性硬膜下血腫とは、頭部打撲後などに硬膜という膜と脳との間に徐々に血がたまって脳を圧迫する病気です。局所麻酔下で血腫の洗浄除去を行うことで、脳の圧迫を解除し症状を改善します。二番目に多い手術は、『経皮的脳血栓回収術』で急性期脳梗塞に対する手術です。脳梗塞は、脳の主要血管が血栓などで閉塞し、脳血流が流れなくなった状態です。鼠径部の動脈(または上腕の動脈)からカテーテルを挿入し、頭の中の血管に進め、血管を塞いでいる血栓を回収し、閉塞した血管を再開させます。再開通までの時間が短ければ短いほど予後が良いため、可及的速やかに処置を開始することが重要です。脳血栓回収療法に関して当院は積極的に取り組んでおり、再開通までの時間の短縮化および最新の器具導入による再開通率と成績の向上に努めております。三番目に多い手術が、『頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの』と、『脳血管内手術 1箇所』です。『頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)脳内のもの』は、主に救命目的に行います。頭蓋骨を切り開くため患者様への負担が大きい手術であり、体力が低下している場合や高齢者の方には行えない場合があります。ただ、医師が直接見て止血するので、確実性が高いというメリットがあります。脳血管内手術は、脳動脈瘤等の脳血管異常に対して血管内手術用カテーテルを用いて行う手術です。その次に多い手術が、『脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)』です。脳動脈頸部クリッピング手術とは、脳動脈瘤の根本の部分に金属製のクリップをかける事で、血液がこれ以上動脈瘤の方へ入らないようにする手術です。また、クリップをかける事で瘤の破裂により脳血管から多量に出血してしまう事を防ぎます。
地域の病院として、脳神経外科手術全般に対応しております。高齢の患者様が多いのが特徴であり、確実かつ負担の少ない手術を目指しております。
脳腫瘍についてはナビゲーションや術中モニタリングを用いて安全で確実な摘出を目指しております。神経集中治療部と共同で治療にあたっており、綿密で安全な周術期管理を目指しております。

小児外科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K836停留精巣固定術37名0.00日0.43日0.00%4.81歳
K6335ヘルニア手術 鼠径ヘルニア21名0.00日0.33日0.00%3.81歳
K634腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)15名0.00日0.93日0.00%5.07歳
K8282包茎手術(環状切除術)11名0.00日1.27日0.00%8.73歳
K718-21腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)

当院は、地域医療を担う医療センターとして身近な小児外科疾患に対し、小児外科専門医による手術を昨年度108件施行致しました。小児のからだは単に大人を小さくしただけでなく、あらゆる臓器が未熟であり、このような小児の特徴を十分知った上で手術前後の治療を行うことが必要です。共働き世帯の多い当地域で幼い患児とご家族の負担を極力抑えられるように、入退院のスムーズな手続きを構築し、予定手術症例のほとんどを日帰りで行っています。                                                          ※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

眼科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K2821ロ水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの294名0.57日1.00日0.34%75.64歳
K2191眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K2422斜視手術 後転法
K234眼窩内腫瘍摘出術(表在性)
K2821イ水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 縫着レンズを挿入するもの

眼科で一番多い手術は、白内障の手術『水晶体再建術(眼内レンズを挿入)』です。白内障手術では超音波水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を行なっております。眼瞼下垂は、まぶたが下がってきて見えにくくなる病気です。眼をあげる筋肉を短縮してまぶたをあげます。斜視手術では、眼球に付いている筋肉の位置や長さを変え、筋を弱めたり(後転法)、強めたり(前転法)する手術を行ないます。幼小児の手術では全身麻酔で行っております。その他硝子体手術なども行っております。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

耳鼻咽喉科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K340-5内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(複数洞副鼻腔手術)46名1.00日7.02日0.00%53.24歳
K3772口蓋扁桃手術(摘出)44名1.00日7.14日0.00%21.55歳
K368扁桃周囲膿瘍切開術27名0.07日5.63日0.00%41.33歳
K347-5内視鏡下鼻腔手術I型(下鼻甲介手術)17名1.00日6.29日0.00%44.65歳
K340-6内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)12名1.00日6.82日0.00%57.36歳

耳鼻咽喉科で一番、四番目、五番目に多い手術はそれぞれ『内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(複数洞副鼻腔手術)』、『内視鏡下鼻腔手術I型(下鼻甲介手術)』、『内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)』で、その名の通り内視鏡を使用し、慢性副鼻腔炎・鼻茸・蓄膿症や鼻の粘膜の肥厚による鼻づまり症状を改善するために行います。これらの鼻・副鼻腔の手術は睡眠時無呼吸症候群の治療としても行うことがあり、その必要性については当院の睡眠時無呼吸症候群外来で検査を行っています。二番目は『口蓋扁桃手術(摘出)』で、何度も扁桃に炎症を繰り返す方などが対象です。三番目の『扁桃周囲膿瘍切開術』は急性扁桃炎等で来院された患者様に対して行い、適宜局所麻酔もしくは無麻酔で扁桃に溜まった膿を出す手術になります。

泌尿器科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K843-4腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)45名1.27日8.64日0.00%70.76歳
K8036イ膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)32名0.81日4.03日0.00%69.47歳
K7811経尿道的尿路結石除去術(レーザー)19名0.53日1.11日0.00%59.11歳
K783-2経尿道的尿管ステント留置術12名0.08日7.08日0.00%70.92歳
K841-21経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用)

泌尿器科では、前立腺癌、腎癌、膀胱癌をはじめとする尿路上皮癌に対して、ロボット支援手術を用いた低侵襲医療を提供しています。また、前立腺肥大症や尿路結石に対しては、最新のレーザーを使用した内視鏡手術を行い、大学病院と同等の高水準の医療を提供しています。特に骨盤内悪性疾患に対するロボット支援手術では、癌の制御はもちろんのこと、患者様が気にされる排尿機能や性機能の維持にも配慮し、Shared Decision Making(共同意思決定)を重視した治療方針を適用しています。
当科では、前立腺癌に対するロボット支援下手術は通常10日程度の入院、尿路結石のレーザー内視鏡手術は1泊2日の短期入院で実施しています。これにより、患者様の負担を軽減しながら、高度な医療技術を提供しています。私たちは、患者様一人ひとりに最適な治療を提供し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。 ※患者数10未満の場合は-(ハイフン)で表示しております。

婦人科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K877-2腹腔鏡下膣式子宮全摘術343名1.04日3.08日0.00%47.04歳
K872-2腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術125名1.22日3.10日0.00%37.30歳
K8882腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術(両側)124名1.03日3.02日0.00%41.01歳
K8862腹腔鏡下子宮附属器癒着剥離術(両側)47名0.98日3.00日0.00%37.57歳
K865-2腹腔鏡下仙骨腟固定術37名1.00日3.05日0.00%70.32歳

婦人科で一番多い手術は、『腹腔鏡下腟式子宮全摘術 』です。二番目に多い手術は、『腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術』です。三番目に多い手術は『子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの』で、四番目に多い手術は、『腹腔鏡下子宮附属器癒着剥離術(両側)』、五番目に多い手術が『腹腔鏡下仙骨腟固定術』です。当院は婦人科腹腔鏡手術センターを設置しており、腹腔鏡手術が当院のスタンダードとなっております。一般的に最も難易度が高い腹腔鏡下子宮全摘術が当院で最も多い手術件数になっていることが特徴で、巨大な腫瘍や癒着が高度な方も全例腹腔鏡手術で対応しております。手術が必要な方を中心に診療を行い、前年に比べ手術件数も増加しております。

循環器内科

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Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K5493経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの)32名5.38日6.03日9.38%70.72歳
K616四肢の血管拡張術・血栓除去術15名7.07日23.27日6.67%78.07歳
K5492経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの)12名0.14日9.79日0.00%61.86歳
K596体外ペースメーキング術
K5972ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合)

循環器内科で上位を占める『経皮的冠動脈ステント留置術』は、狭心症などの虚血性心疾患に対するカテーテル治療です。虚血性心疾患は心臓の筋肉に必要な栄養や酸素を運ぶ血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりして、心臓に十分な血液が送られなくなることによって起こります。このため、カテーテルという医療用の細く柔らかいチューブを差し込んで、血管の狭くなった部分を広げて、血液のスムーズな流れを取り戻す治療を行います。二番目に多い手術、『四肢の血管拡張術・血栓除去術』は、下肢の閉塞性動脈硬化症などに対して行います。血管の狭窄(細くなっている部分)や閉塞(詰まって流れない状態)している部分を風船の付いたカテーテルで拡張したり、ステントという金属メッシュの管を留置したりすることで元通りの太さの血管にする治療です。また、血栓(血の固まり)によって閉塞した場合はその血栓を取り除いたり、血栓を溶かす薬を注入して治療します。四番目に多い手術、『体外ペースメーキング術』は、完全房室ブロック(CAVB)・洞機能不全症候群(SSS)・徐脈性心房細動(Af)にて自己心拍による血行動態の維持が困難な場合に、一時ペーシングを行います。改善しない場合は、永久ペースメーカーの植え込みが必要です。五番目に多い手術、『ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合)』は、徐脈性不整脈に対して行います。徐脈性不整脈は脈が遅くなる不整脈で、安静時や軽い労作でも、めまいや息切れを起こすことがあり、 ペースメーカーを移植し、脈を戻します。
※患者数10未満の場合は-(ハイフン) 

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一
異なる
180010敗血症同一25人0.26%
異なる55人0.57%
180035その他の真菌感染症同一
異なる
180040手術・処置等の合併症同一16人0.17%
異なる

『播種性血管内凝固症候群』はDICと呼ばれ、さまざまな重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性の制御能が十分でなくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全、出血傾向のみられる重症の病気です。
『敗血症』は、血液中に細菌が入り込んでおこる菌血症や、ほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こる病態です。
『真菌感染症』は、真菌によって引き起こされる感染症です。
『手術・処置等の合併症』は、手術や処置などの後、それらがもとになって起こることがある病気です。
当院はICUを有しており、重症症例・大手術後の患者様を多く診療しております。そのため血液凝固異常やさまざまな感染症の合併により、敗血症や播種性血管内凝固症候群(DIC)がおこることがあります。合併症は、最善の手術や処置を尽くしても、全ての患者さんで一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。適切な治療が行えるよう、スタッフ全員で取り組んでおります。※患者数10未満の場合は-(ハイフン)

医療の質指標

1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母)2,243
分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子)2,006
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率89.43%

肺血栓塞栓症の予防は医療安全がテーマとなっております。肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓症)は、世間ではエコノミークラス症候群などと呼ばれています。足や体幹の深い静脈に血の塊(血栓)が形成された状態を深部静脈血栓症といい、この血栓が流されて肺の血管を詰まらせた状態を肺血栓塞栓症といいます。肺血栓塞栓症は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患です。
手術中は、長い間ベッドに横たわり同じ体勢をとり続けること、手術の影響で止血機能が亢進することから、発症のリスクが高まります。近年は肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の危険因子が明らかになっており、予防対策を行う事が推奨されております。予防法として弾性ストッキングの着用や抗血液凝固薬の使用などがあります。尚、こちらの指標は、肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓症)予防ガイドラインにのっとり、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した症例が対象です。
当院では約90%の患者様に予防対策をしており、全ての患者様に安全に手術を受けていただけるようスタッフ一丸となって手術に取り組んでおります。

2.血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母)2,259
血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子)1,977
血液培養2セット実施率87.52%

感染症の診療では、起因菌を明らかにするため、血液培養を2セット以上採取することが推奨されています。当院の2セット率は約87.5%ですが、今後も2セット率を高く保つことで、適切な【感染管理】を行っていきます。

3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母)845
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子)696
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率82.37%

広域抗菌薬は細菌感染症の切り札ですが、近年は不適切な抗菌薬使用により、耐性菌が増加しています。当院では抗菌薬適正支援チーム(AST)が広域抗菌薬の使用されている症例に介入し、適正使用を推進する取り組みを行っております。

更新履歴

2024.9.27 令和5年度 病院指標を公開しました。

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