脳卒中センター

医療相談科

脳卒中は昨今の救急医療の体制の整備や、医療技術が進歩したことで、その死亡者数は減少しています。しかし脳卒中は救命されたからといって安心はできず、身体に障害が残ることが多くあります。患者さんや家族にとっては、何の前触れもなく突然襲いかかってくるため、発症により、日々の生活は一変してしまいます。経済的な不安や、就労、今後の介護、家族問題など生活をしていく上での様々な課題に直面することとなります。

  n_p01.gif

そのため、急性期病院では治療と並行して、早期からソーシャルワーカーが患者さん、家族の抱える課題の解決に取り組んでいきます。患者さん、家族の生活背景や家族背景、抱える不安や思いを理解し、有効な社会資源(高額療養費制度、介護保険、生活保護、所得補償制度、回復期リハビリテーション病院、地域の関係機関など)を活用して、不安の軽減や課題の解決を図ります。

ソーシャルワーカーは入院初期から継続的に関わり、身体状況がどこまで回復するのか、これから先どのような生活を送っていけるのか等先が見えない不安や、早期にリハビリテーション病院への転院が必要となること等の先々に予測される課題について説明や情報提供をしていきます。ソーシャルワーカーは患者さん・家族自身が今後へ向けたイメージや安心感を持ち、今後の方向性を選択していけるよう、一緒に考えていきます。

ソーシャルワーカー単独では課題解決は困難なため、院内では医師、看護師、リハビリテーション訓練士、栄養士、薬剤師などの多職種チームでアプローチを行います。チーム内では患者さん・家族の生活・家族背景、抱える不安や希望などの思いをチーム全体へ伝え、早期にチームの方針や目標が立てられ退院が円滑に進むよう調整を図っていきます。

  n_p02.gif

特に急性期病院では短期間の中で次の療養先へ移行をしていく必要があるためチーム内での強い連携が求められます。医療従事者だけの方針、目標とならないよう、患者さん・家族の理解を確認しながら、必要に応じて、医師からの病状説明の場を設けたり、地域の関係機関に橋渡しをするべくカンファレンスを行うこともあります。また、それぞれの職種が患者さん・家族の抱えている思いや課題を理解し、方針をたてられるよう、院内では密にコミュニケーションを図っていきます。

以上のような関わりから、ソーシャルワーカーは患者さん・家族が安心して治療に専念し、自らの力で生活の課題に取り組み、新たな人生を歩めるよう支援をしていきます。

脳卒中センター