神経集中治療フェロートレーニングプログラム 4期生募集要項

Neurocritical Care Fellowship Program (NCCFP)

2024年6月13日

背景と特色

神経集中治療の普及のため、TMGあさか医療センター神経集中治療部(Neuro ICU & Coma Science Center)では2年間のNeurocritical Care Fellowship Program(NCCFP)を提供しています(協力施設あり)。

この度2025年度(4期生)の募集を行います。

本プログラムは神経集中治療の指導者を育成することを目的としています。

特色

心停止蘇生後の低酸素脳症、脳卒中、重症頭部外傷、てんかん重積状態、脳炎、神経筋疾患、敗⾎症関連脳症など神経集中治療の対象となる疾患は様々です。本プログラムでは各疾患の最新の管理(神経集中治療)を体系的に学んでいただきます。また協力病院をローテーションしていただき、バランスよく神経集中治療のトレーニングを行うことも可能です。

プログラムの中心となるTMGあさか医療センターでは、脳神経外科医やEmergency Neurological Life Support(ENLS)1)のトレーナーの指導のもと確立された米国式の神経集中治療を学ぶことができます。特にCritical Care EEGの判読を徹底して行なっていただきます。判読はAmerican Clinical Neurophysiology Society's Standardized Critical Care EEG Terminology: 2021 Version2)に基づいて行うため、世界標準の判読方法に準拠しています。てんかん専門医からのフィードバックを得られる機会も日常的にあり、専門的に脳波判読の知識を深めることも可能です。その他、2次性脳損傷の回避のために必要な知識や技術、多角的脳神経モニタリング、体温管理をはじめとした脳指向型全身管理を学びます。

さらに、神経集中治療医は重症意識障害の診療のプロフェッショナルである必要があります。従来の意識障害のスコアリングであるGlasgow Coma ScaleやFull Outline of UnResponsiveness Scoreに加え、意識障害の最新の診察方法として注目されているComa Recovery Scale-Revised (CRS-R)も取り入れており、世界標準の意識障害の評価・管理を学ぶことができます。
https://comarecoveryscale.wixsite.com/secretariat

また、研修中に様々なClinical Questionが出現し、各自研究テーマを持つことがありますが、希望者には関連の研究発表・論文作成も指導します。

最後に、神経集中治療を広めるために必須であるNeuro ICUの運営方法、Neurocritical Care チームの育成方法なども日常業務を通して学んでいただきます。

これらを通じて神経集中治療の魅力が伝われば幸いです。

皆様の応募をお待ちしています。

1)https://enls.neurocriticalcare.org/home

2)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33475321/

トレーニングの内容

あさか医療センターでのトレーニングの特徴

  • Neuro ICU勤務
  • General ICUでの意識障害の対応
  • 神経救急・ホットライン対応トレーニング

(脳神経外科医が普段対応している神経救急を初療から行えるようにトレーニングします。習熟程度によってはバックアップ体制のもと当直業務もしていただけます。)

  • Critical care EEGの管理の習得

(適応判断と装着・判読・デジタル脳波の管理、脳波レポートの作成)

  • 多施設Critical care EEGカンファレンスへの参加
  • 脳神経外科病棟・脳卒中センター、てんかんセンターのローテーション

TMGあさか医療センターでのタイムスケージュール一例(参考)

勤務
5日/週、研究日あり(TMGあさか医療センター)

ローテーションの方法

2年間のうち、TMGあさか医療センターに最低1年間在籍していただきます。

残りの1年間は個人の希望に合わせてローテーション可能となります(原則1施設)。

プログラム開始前にプログラムディレクターと面談の上、各施設の状況に応じて決定します。

協力施設

・聖マリアンナ医科大学医学部付属病院 救命センター ※

・日本医科大学医学部付属病院 高度救命救急センター ※

・香川大学医学部付属病院 救命救急センター ※

・東京ベイ浦安市川医療センター 救急集中治療科(集中治療部門)※

・武蔵野赤十字病院 救命救急センター ※

・兵庫県災害医療センター 救急科 ※
・国際医療福祉大学成田病院(予定)

注1:以上の施設では集中治療室で神経集中治療のトレーニングを中心に受けていただきますが、施設の規定に沿って神経集中治療以外の勤務を行う場合があります。

注2:TMGあさか医療センター含め※は学会認定専門医研修施設(集中治療)になります。詳細はhttps://www.jsicm.org/institution/をご参照ください。

募集要項

対象

神経集中治療を専門的に勉強したい若手医師(医師免許取得後、概ね5年目以降:トレーニング開始時)かつ、神経集中治療の指導医を目指す医師。

目的

日本の神経集中治療の発展のために活躍できる医師を育てること

募集人数

1-2人/年(TMGあさか医療センターの見学を推奨)

採択基準

書類審査・面接(TMGあさか医療センター)
要請があった場合は、協力施設と面接を行うことがある

面接日時
順次告知

採用日
2025年4月1日

研修期間
2年間(採用方式は受け入れ施設の規定に準ずる)

待遇
当院・各協力施設の規定に準ずる

応募必要書類

■ 履歴書

■ 志望理由書

■ 業績報告書(形式自由)

■ 推薦書

■ 医師免許証(写)

■ 大学卒業証明書

■ 臨床研修修了登録証(写)

応募書類提出期限:2024年9月30日

提出先・問い合わせ先

〒351-0023
埼玉県朝霞市溝沼1340−1
TMGあさか医療センター
総務課 神経集中治療フェロー 採用担当者
TEL : 0570-07-2055 (ナビダイヤル⑥番)
FAX:048-466-2059
Email : s_nakagawa4@tmg.or.jp


プログラムディレクター

TMGあさか医療センター神経集中治療部
Columbia University Irving Medical Center, Neurological Intensive Care Unit
江川悟史 s_egawa@tmg.or.jp

プログラムサブディレクター

TMGあさか医療センター神経集中治療部 中川俊 s_nakagawa4@tmg.or.jp
TMGあさか医療センター脳神経外科・神経集中治療部 中本英俊

プログラムアドバイザー

香川大学医学部附属病院 救命救急センター 黒田泰弘
聖マリアンナ医科大学 救命救急センター  藤谷茂樹