概要
どのような人に適したプログラムか、紹介します。
目的
心停止蘇生後、脳卒中、頭部外傷、脳炎・髄膜炎、てんかん重積状態、神経筋弛緩、敗血症関連脳症など神経集中治療の対象となる疾患は様々です。また近年はmultimodality neuromonitoring(MMM,MNM)といって脳波、頭蓋内圧、経頭蓋超音波など様々な指標を用いて脳の病態をモニタリングすることが世界的に求められてきています。
神経集中治療特有の管理や考え方を身につけ、指導者となる人材の育成を目的として、TMGあさか医療センター神経集中治療部(Neuro ICU & Coma Science Center)では2年間のNeurocritical Care Fellowship Program(NCCFP)を提供しています(協力施設あり)。
特色
- 脳神経外科医、神経内科医やEmergency Neurological Life Support(ENLS)1)のトレーナーの指導のもと確立された米国式の神経集中治療を学ぶことができる。
- American Clinical Neurophysiology Society’s Standardized Critical Care EEG Terminology: 2021 Version2)に基づき、Clitical Care EEGの判読を徹底して行う。脳外科、神経内科のてんかん専門医に常に指導を受けることができる。
- ICPプローブ、経頭蓋超音波、自動瞳孔計などのMMM,MNMに用いられる機器に日常的に触れることでその管理を学ぶ。また、モニタリングの一つとして意識の評価も重要である。日本でも普及しているGlasgow Coma ScaleやFull Outline of UnResponsiveness Scoreに加え、意識障害の最新の診察方法として注目されているComa Recovery Scale-Revised (CRS-R)も取り入れている。世界基準でいかにして意識を評価し、管理や予後予測に用いるかを学ぶことができる。
- 希望者には国内・国外問わず研究発表や論文作成の指導を行う。
プログラムの内容紹介
2年間の過ごし方
2年間のうち、最低1年間はTMGあさか医療センターに在籍していただきます。 残りの1年間は希望に合わせて、協力施設で1年間研修(原則1施設)するか、TMGあさか医療センターに在籍(合計2年間)するか選ぶことができます。
協力施設
- 聖マリアンナ医科大学医学部付属病院 救命センター ※
- 日本医科大学医学部付属病院 高度救命救急センター ※
- 香川大学医学部付属病院 救命救急センター ※
- 東京ベイ浦安市川医療センター 救急集中治療科(集中治療部門) ※
- 武蔵野赤十字病院 救命救急センター ※
- 兵庫県災害医療センター 救急科 ※
- 国際医療福祉大学成田病院(予定)
- 注1)TMGあさか医療センターおよび※の施設は学会認定専門医研修施設(集中治療)です。
- 注2)各施設原則は集中治療室で神経集中治療のトレーニングを受けていただきますが、フェローの背景や希望、協力施設からの要請により集中治療室以外での勤務を相談することがあります。
これまでの実績
TMGあさか医療センターでの日常的なトレーニングの他に行ったことをご紹介します。
- 神経集中治療ハンズオンセミナーの受講、その後インストラクターとして育成。
- 日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本臨床神経生理学会、日本脳低温療法・体温管理学会での研究発表、および論文指導。
- Neuritical Care Society(米国)への研究発表
- 神経集中脳波カンファレンス(あさか医療センター主催のオンライン救急脳波勉強会, 毎月開催)での発表
- 救急医学やIntensivistなど有名雑誌への寄稿
卒業生からの声

私は前半1年間聖マリアンナ医科大学、後半あさかでの研究プログラムでした。外部研修では、あさかの卒業生でもある2名の神経集中治療のスペシャリストの先生にほぼ毎日マンツーマンで指導を受けることができました。
ちょうど病院移転に伴い、神経集中治療室の立ち上げに関わることができました。また、聖マリアンナ医大は屋根瓦式の指導体制がしっかりしており、集中治療全般に関わる技量の底上げをしつつ、神経指向型の管理を身につけることができました。
2年目のあさかでは、より多くの神経集中治療患者に触れる機会がありました。脳外科、てんかん専門医の先生方と毎日議論できる環境にあり、また学会発表、執筆や論文を通して、神経集中治療の第一線で活躍する先生方からご指導いただきました。短期研修でもノウハウを学ぶことはできると思いますが、2年の期間と指導医になれるように徹底して教わった神経集中治療の知見、関わってくださった先生方は財産であり、これが私の中で生きているからこそ、他の先生と深い議論もできるようになり、セミナーの講師が務まるようになったのだと感じています。まだ、あさかに残って学ぶこと、後輩に指導すること、研究や発表などできることがあると感じたので、プログラム修了後も私は3年目もあさかに残留を選択しました。
お申込み
神経集中治療フェローにお申込みの方は、以下のフォームに必須項目、必要情報を入力してください。
※申込み前に見学等ご希望される方は、お問い合わせから一度ご連絡ください。