はじめまして。そして、ただいま戻りました!

Cognitive Motor Dissociation

TMGあさか医療センター 神経集中治療科の江川悟史です。

このたび、ようやく帰国し、再びこの地で診療を行えることに大きな喜びを感じています。復帰にあたり、簡単に自己紹介をさせていただきます。

私はもともと脳神経外科医を志していましたが、研修医時代に、全身管理が脳保護に及ぼす影響の大きさを実感し、神経集中治療の道へ進むことを決意しました。

その後、救急集中治療を基盤としながら、TMGあさか医療センターで神経集中治療の実践を積み重ねてきました。

しかし、日々の臨床の中で、「自分の治療は本当に世界標準なのか?」「神経集中治療を学問として発展させるには何が必要なのか?」という疑問を抱くようになり、これらの問いに向き合うため、ニューヨークのコロンビア大学病院 神経集中治療科で3年半にわたり研鑽を積み、2025年5月に復帰しました。

現在、当科では脳神経外科・脳神経内科と連携し、標準的な神経集中治療をすでに実践していますが、今後はさらに、最先端の研究と情報発信に取り組み、この分野を進化させていきたいと考えています。

神経集中治療において私たちが大切にしているのは、「脳をブラックボックスにしない」ことです。障害された脳は、実は多くの“悲鳴”をあげており、その声を聞くために、脳波モニタリングをはじめとしたさまざまなモニタリング技術を駆使して治療を行っています。

これまでは、脳波を用いて非けいれん性てんかん重積状態といった“見えない発作”を検出し、治療につなげてきました。今後は、“見えない意識”——すなわち認識されていない意識活動——の検出にも注力し、より精緻で未来志向の神経集中治療を提供してまいります。

Satoshi Egawa.

神経集中治療を日本に広く根づかせるには、志をともにする多くの仲間の力が必要です。 この分野に少しでも関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。一緒に盛り上げていきましょう!

コロンビア大学病院のバルコニーから

コロンビア大学病院のバルコニーから

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